入眠前のシンプリスト

不眠症のシンプリストが眠る前に綴る、日々の小さな幸せのお話です。

パンの話

平日は、朝食は摂りません。

私にとって朝食とは、休日限定の

幸せの儀式となっています。

転職で給料が半分以下になったときも

休日のパンとコーヒーだけは、唯一の楽しみとして

真剣に選び続けました。


自分で焼いていた時期もありました。

ドイツ風ほど酸味がない、北欧地域の

ライ麦パンのレシピにハマったり

それはそれで楽しかったですが、いかんせん

自宅で焼くパンは、驚くほど早く

硬くなってしまいます。

牛乳やバターを使うことで、

多少は柔らかさを維持できますが、正直

気持ち程度、という印象です…。


家族ですぐ完食出来る環境なら

自宅の焼き立てパンに勝るものはないでしょうが

いかんせん、単身の私では回転が悪過ぎるのです。

焼くのにかかる電気代・産地や鮮度にこだわれない小麦粉…といった

家庭料理の限界を加味して考えると

お店で買った方がいい、という結論になりました。

そしてそこから、長い長い

食パンジプシーの日々が始まったのです…。


私の当初の認識では、自分の好みは

甘くてフワフワの、リッチな食パンだと思っていました。

よって、その類の食パンをあちこち買い歩いたのですが

ついで買いした諸々のパンを食べてるうちに

あれ?私の好みってあんまりリッチじゃない方かも?と

段々気付いて来ました。

正直、大人になって長いこと経ち

食事とは、習慣や惰性で何となく食べるものとなっていて

自分にとって美味しい/美味しくない、の判断が

つかなくなってしまっていました。

もっちりとサックリ、どっちがいい?とか

そんなレベルのことでも、全然判断出来ないのです。

これはもう、色々食べて確かめてみるしかない…と思い

どのお店でも、食パンが複数種類あるなら

極力全種類試すようにしてみました。


結果、「モノによる」という

身も蓋もない結論となりました…。

聖庵の、湯種食パンにハマるも

同店の他の食パン(湯種食パンの倍以上高額なもの含む)や

他店の湯種食パンでは、ピンと来るものに出会えていません。

微妙で難しいものですね。

その後、イチジクなどの干し果物とナッツの入った

カンパーニュ系の美味しさに

チクテベーカリーで開眼、一時は同店近くへの

引越しを考えるほど、ハマりました(深くハマったせいというより

同店が駅から遠く、通うの大変だったので…

でも、団地の中に素敵な店々がそっと隠れている

あの場所はとても素敵だと思います)。


最近では、ベーカリーハースの黒豆食パンの虜です。

天然酵母で乳製品・砂糖を添加していない

酸味を感じるパンが多めのお店ですが

ムチムチ噛み締められる玄米食パンや

しっかり甘い黒豆食パンは、バターだけで

丁度よく食べられます。

後者はむしろ、バターの塩気との組合せで

最強の状態となる、お味です。

本当に素晴らしい逸品!なのですが

惜しむらくは、土曜は開店から1〜2時間で売切れ・閉店となり

日曜はお休みと、なかなか購入出来ないことです…。

柿谷ベーカリーもそうですが、国立駅周辺のパン屋さんは

開店から2時間程で売切れ御免の、小さなお店が多いのですね。

平日仕事の会社員には、辛いところです…。


今は、京王線沿いのアオサンと、カタネベーカリーという

未踏の有名店も気になっていますが

こちらもかなり頑張って並ばないと

食パンにはありつけないようです。

体力と気合いの充実した週末に食パンを仕入れ

後の週末の糧にする日々が、まだまだ続きそうです。